負け犬プログラマーの歩み

負け組だった人間が今一度PGとして人生の飛躍を模索するも加齢と共に閉ざされる未来に直面しているブログ。

19時退社に対応できなかった男がいた

就業時間が10時-19時という会社は非常に多い。

むしろ、これまでの傾向から言えば、SIerなどやや堅い会社のみ9時出社とし、あとは基本的に10時-19時という印象がある。この業界は毎日遅刻してきたり、毎週月曜日には必ず「家族が急病に伏せった」「家屋にトラブルが起きた」とか理由をつけて休む輩も多いので、10時始業の方が合うのだろう。

でも俺には10時始業は無理だった。というか19時退社が駄目だった。

都内の23区に住んでいるが、19時に定時退社すると、帰宅時間は急いでも19時45分以降になる。自転車通勤であるが電車だともっと時間が掛かって19時50分とかになる。9時始業であれば18時台に帰れると思うと、これは非常に問題がある。

例えば、今はもうサッカーの試合はあまり観る事がなくなったが、多くの試合のキックオフが19時30分とかに設定されている。それだと試合開始までに間に合わない。

また、「最終受付時間は19時まで」という医院も多い。ということは、平日の夜に退社してから通院することは難しい。だから仕方なく土曜日に予約を入れることが増えてしまっている。最近はアウトドアな趣味に没頭しているのだが、この趣味は雨が降るとできない。貴重な土日の片方を通院で費やすのはすごく痛い。

加えて、一部の宅配業者は19時退社の人間にものすごく不利だったりする。ヤマト運輸のように当日再配達の受付が20時までの優良企業があるが、日本●政とか佐●急便とかデリ●リープロパイダとかいう運送業者は、当日の再配達受付は18時とか19時なのだ。加えて、優良企業ヤマト運輸は再配達の時間指定が20~21時であるが、佐●急便は19時~21時。

先日、こんなことがあった。

6/1 19時45分に帰宅。19時29分に不在届。翌日19時~21時に再配達依頼。
6/2 19時48分に帰宅。19時38分に不在届。翌日19時~21時に再配達依頼&営業所に遅い時間希望の電話。
6/3 19時52分に帰宅。19時49分に不在届。

これが理由で、今の現場を辞めることにした。

俺のマンションは1Kルームで部屋が60個ぐらいあるのに宅配ボックスが数個しかない。加えて、コンビニが遠くてコンビニ受け取りもやりにくい。営業所はもっと遠い。よって、ヤマト運輸以外の宅配業者の場合、最悪な話「通販で買った荷物は平日は受け取れない」という状況に陥っている。

もちろん俺も少しは歩み寄れたはずだ。「現場から自転車で15分程度の場所に住む」とか「宅配ボックスが充実しているマンションに住む」という選択肢も取れたはずだ。でも「いつ契約を切られても分からない」身で、その職場の近郊にわざわざ住む人がいるだろうか。

心の中では分かっている。俺の年齢で「19時退社だと通販で買った荷物が受け取れないから辞める」というのは、極めて幼稚でみっともない理由だということは。でも独身の身で何も守るものがない立場だからこそ、あえてその幼稚な理由を通してみよう。自分の本能で感じた通りのことを貫いてみようと思う。

派遣やフリーランスが自分から辞める理由

派遣社員フリーランス(個人事業主)といった就業形態の数少ないメリットを挙げるとしたら、「辞めたくなったらさっさと辞められる」ということがある。

もちろん、正社員は辞意を表明すれば2週間後に退社できるが、派遣や個人事業主は、(両者の合意で契約を途中解除しない限り)期間満了するまでは辞められないので、むしろ法律的には「辞める自由」を制限されていると見ていい。

また、社会的な立場がどうしても正社員よりも低いので、現場から「今辞められると困るのでもう少し待ってくれ」と要望された場合、それに従うように色々と圧力が掛かる。例えば派遣会社は、派遣先との関係を今後も良好に続けたいあまり、相手の言うまま契約延長を呑むように命令してくるだろう。

それを踏まえてもなお、「何か自分の気に喰わないことがあればさっさと辞める」というのが、派遣・フリーランスの正しい生き方のように思えてならない。少なくとも、不満を抱えつつも惰性で長期的に働いてしまっていい就業形態ではない。

何故なら、そもそも非正規雇用と言うのは、結局は企業側の都合による雇用調整弁にしか過ぎず、正社員だけでは労働力を保つ事が難しくなった会社から「直ぐにクビにできて給料も安く抑えられる下級労働者」として採用されているからだ。

ならば俺達も逆に企業側を利用して「自分のキャリアアップにならない現場はさっさと辞める」「辞めることで迷惑が掛かろうが知ったことか」という矜持を持たない限り、「下級労働者」の立場で企業にいつまでも奉仕することになってしまう。

そして、派遣・フリーランスは次の仕事を探すのは比較的容易だ。正社員で探す難易度の1/10以下の労力だろう。今よりもっと良い現場に巡り会える可能性は決して低くない。それを考えるならば余計に「不満があるなら辞める」という考えになびいてしまう。

…のであるが、現実的には辞めるには多少の勇気が要る。その理由が幼稚なものであればあるほど尚更だ。例えば、俺は今の現場をこんな理由で辞めたいと思っている。

  • 勤務時間が朝10時~19時で固定。
  • 現場が片道10km程度で自転車通勤だと時間が掛かる。
  • 週に1回は打ち合わせのために電車に乗ることを要求される。

社会人とは思えない「子供のようなわがまま」というのは分かる。でも会社には基本的に早く来て早く帰りたい。10時から就業開始というのはベンチャーやWebでは至極当然のことらしいが、俺は定時退社なら19時までには帰宅しているのが理想で、20時過ぎとかはちょっと勘弁して欲しい。

そして俺は電車が嫌いだ。満員電車のストレスは言うまでないが、朝は毎日のように何か理由をつけて遅延してダイヤ通りには進まないし(前の車両との間隔調整で駅の途中で停車するとか)、最近は空いてる電車であっても、醜い席の取り合いや、社内で化粧をするとか、大音量でイヤホンから音漏れ、携帯電話での通話(これ自体はさっさと解禁しろとは思うのだが)とか、車内で臭いものを平気で食べるとか、降りるときに押してくるとか、扉の付近に立ってるのに自分も降りて周囲に協力しないとかマナーの欠落したクソみたいな奴らと空間を共にするのが苦痛だ。

上記の三点を除けば、今は決して悪くない待遇だと思う。デスマーチとは程遠いまったり開発で、リリースの日に不具合が出れば残業も有るが原則定時退社で月に140時間さえ働けば相応の給料が貰える。俺の場合は前職から年収が400万近く増えて、お金には殆ど困らなくなった。

何より、タスクがスカスカで勤務中はすごく暇なので、ネットを閲覧していても何も言われない。同僚はソシャゲーを平気でやっているし、恐らく居眠り以外の行為は基本的に寛容されるのだろう。俺は過去にH立製作所とかの監視社会で生きた社畜根性が染み付いてるため、流石に暇つぶしするにしても「眼前の課題を最大限に衒学指向で解決する」というアプローチで技術的調査・研鑽する事で時間を浪費しているのだが、それにしても月140~180時間のうち実働時間が余裕で100時間未満という状態。

個人的にはそういう「仕事をさぼっている」事にさほど罪悪感はないというか、契約的には、業務委託(厳密に言うと準委任とかSESとか)として雇用されているため品質の伴った成果物を提出すればそれでいいと思っているし、本来は就業場所を指定される言われもなく、わざわざ依頼主の意向に屈している以上、多少の行為も多めに見ろと逆に横柄になっている。まして通勤手段や通勤時間まで指定されるのは論外じゃないかと。


話は逸れたが、ともかく、次の現場探しには全く不安はないし、現場に大きな未練もないので、来月には「辞めます」と告げたいのだが、どうにも踏ん切りが付かない。

それは「どうせフリーランスなんだから長期勤続しても意味がないし、相手からいつ契約を切られてもおかしくない」という卑屈な気持ちや劣等感を「なら自分から辞めてやる」という方向で憂さ晴らししているにしか過ぎない事を自覚しているからだろうか。

自分で言うのもなんだが、クソみたいな人生を過ごしていると思う。

クラウドワークスはエンジニアを幸せにはしなかった

クラウドワークスというサイトを利用し始めて3-4年ぐらい経つ。毎週のようにスカウトや見積り依頼をもらい、実際に2桁の案件を請けてきた。評価もそれなりというか、多分最近はじまった優良受注者認定みたいなやつの条件も満たしていたと思う(ただし最近ログインしてないしメールも一切見てないので知らない)。

しかし、もう基本的にこのサービスを利用することはないと決めている。退会こそはしないし、自分の履歴書とかプロフィールにリンクでも載せておこうかなとは思う。でも利用はしない。

何故かと言うと、クラウドワークスとは、そもそもエンジニアの為に作られたサイトじゃなく、むしろクライアント(発注者)がエンジニアを安く買い叩くためのサービスに過ぎなかったからだ。

以下、その理由を述べていく。



割に合う案件がない

今までクラウドワークスで請けてきた案件を時給換算したら、最低時給を下回るのは当たり前で、中には「3桁円にすら達しない」「そもそも報酬自体が貰えないこと」すら普通にあった。もちろん在宅で働けることを踏まえたら多少は安くてもいい。しかし、問題は、あまりにも安すぎるのだ。それも論外なレベルで。

募集金額自体は低くないことも多い。月50万とかの案件も普通に飛び交っていた。でもそれは、現実世界では200万以上貰わないといけないレベルの仕事だったりする可能性が高い、というか200万で済めばまだいいほうだ。俺は500万は覚悟している。

クラウドワークスにおいては、クライアント(発注者)とエンジニアは直結する。現実世界では、クライアント(発注者)とエンジニアの間に、仲介会社やエージェントなど「余計なもの」が入る。それなら、現実世界ではピンハネされている分だけ、エンジニアの取り分が増えても良さそうではあるが、実際は増えるどころか大幅に減っている。そして「余計なもの」を介さないことでリスクも増える。エンジニアにとっては何一つメリットがないのだ。

サイトの初期はどうだったかは知らないが、少なくとも自分が本格的に仕事を請け出した2013年過ぎからは、既にクラウドワークスで生計をたてることは極めて難しかったし、それどころか副業としても、プライベートの時間を割いてまで請けるに値するのか疑問に思わざる得ない単価になっていた。

もちろん一部には割の合う仕事もあるだろうし、クラウドワークスでがっぽり稼いだという人もいるだろう。でも卑屈な言い方をすれば、自分みたいな凡庸なエンジニアにはそれは無理だ。現実世界の相場の1/10しか貰えないということは、現実世界の10倍の速度で仕事をしないといけない訳だから。

なぜクラウドワークスでの単価は安いのか。一因として、そもそも人は誰しもコストは削減したいという欲望がある。そして、不特定多数から依頼する候補者を選べるとしたらそりゃ値踏みするだろう。俺たちだって通販で物を買うときはAmazon楽天、ヨドバシ、その他多数の通販サイトを比較する訳だから、それ自体は仕方ないと言える。

加えて、世の中には「安くてもいいから仕事を請けてみたい」という人は少なからずいる。お試しでクラウドソーシングをやったみたいとか、色々な経験を積んでみたいとか、実績を作ってみたいとか、金銭以外を動機に受注したい人がそれなりにいるのだ。だから単価は下がる一方だ。

「現場に常駐して働け」とかいうバカがいる

これは個人的に最も衝撃的だった。

だってクラウドソーシングでしょ? なら在宅でしょ? それが現場に常駐…?

たった今確認したところ、クラウドワークスの社長も「クラウドソーシング(※1)とは、インターネットを活用した時間や場所にとらわれない個人の新しい働き方のことです。」と言っているから、多分俺の考えは間違ってなく、常駐の依頼をする奴がおかしい。

にも関わらず、「常駐して働け」とか要求するバカは最近多い。少なくとも2015年前後に俺が受け取ったスカウトの半分以上は常駐前提だった。なんと在宅案件より常駐案件の方が多い格好になる。

というかクラウドワークス自体がそもそも「クラウドテック(旧CWテクノロジー)」という公式アカウントを開設して、頻繁に常駐前提のスカウトメールを送ってきている

これが最適な例ではないのは承知しているし、決して同性者を差別をする意図はない。また出合い系サイトを利用したこともない。しかし、このクラウドソーシングのサイトで「常駐して働け」というメッセージが多数来る状態は、いわば男女間の出合い系サイトに登録して若い女の子との交流を望んでいたら、ホモからのメッセージばかり来るという状態ではないか。当然それじゃあカマホモワークスじゃねーかという話になる。

なお、規約では一応「常駐」もしくは「常駐に準ずる」契約は禁止されているが、前述の理由から、公式的に黙認されている状態である。

フルタイムを前提とした案件が多い

クラウドソーシングと聞いて、「平日は仕事から帰ってきたあと数時間、週末は4時間程度」とかそういうレベルでのコミットメントで仕事ができると期待している人は多いかもしれない。でも気の毒だが、クラウドワークスの大抵の案件は、それではとてもじゃないが時間が足りないことが多い。つまり「副業」として請けられる案件は多くないということだ。

大体どれくらいの時間が必要かというと、本業を辞めてクラウドワークスでの案件に専念しないといけないぐらい。だってクライアント(発注者)は要件定義だの仕様策定だの設計だの全て割愛して丸投げしてくる奴が多いんだから、開発のみに専念できるなんて事はなく、もう何から何まで自分一人でやらないといけないんだから。

驚くことに、大抵のクライアント(発注者)も契約前に「どのぐらい時間を割けますか?」と一応は訊いてくる。しかし、実際に引き請けてみると、とてもじゃないが本業の片手間にやるには手に余ることが多い。恐らく彼らの期待する作業効率はあまりにも高すぎるのだろう。その期待度を単価にも反映させてもらいたいところだが。

「副業としてはあまりにも仕事量が多く、本業としてはあまりにも単価が低すぎる」というどうしようもない仕事。クラウドワークスとはそんな案件の見本市だ。

手数料が高く、しかも受注者側が負担

クラウドワークスの手数料は最大「20%」だ。この金額が高いと思うかどうかは人それぞれだが、現実のIT業界では仲介会社が3割以上はピンハネする事が当たり前となっているため、それを考えたら「ボッタクリ」という言葉を使うのは適切ではない。

しかし、上で述べたように、そもそもクラウドワークスでの報酬相場は不合理にまで低すぎるのだ。現実世界であればエンジニアの単価は「50万/月」程度はあるのだが、クラウドワークスはその1/10以下の金額での取引も普通にある。ただでさえ低い報酬の20%がピンハネされるとなったら、余計クラウドワークスで稼ぐことは厳しくなる。

また、発注する側の手数料は一切かからず、仕事を請けた人間のみが手数料を徴収されるというシステムも印象が良くない。「クラウドワークスが発注者の為のサービス」だと言われる所以の一つがまさにここにあるのだ。

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あまりに手数料が高いものだから、中にはクラウドワークスでスカウトしたあと、あとのやり取りはメールやスカイプ、LINEなどで行って、そこで契約しようという行為も既に普通に横行しているが、発注者から手数料を徴収しない理由は、恐らくその流れが加速してしまうからなのだろう。

クライアント(発注者)のITリテラシーが低い

最初に断っておくと、一般人にITリテラシーを求めるのも酷なので低いこと自体は仕方がない(ちなみに日本人のITリテラシーは諸外国に比べて低いとたまに聞くが、俺は日本にしか住んだことないのでそれはよく分からない)。

ともかく問題なのは、そのリテラシーの低さは、エンジニアに対して過酷な方向に作用することだ。

端的には、クライアント(発注者)の多くは、「良いものを短時間・低賃金で作れ」と要求する。それは彼らはエンジニアではないので良い物を作るのにどれだけの苦労と時間と配慮が必要か分からないのが原因だ。だから「無知(ignorant)」とは言わず「無垢(innocent)」と称したい。無垢なクズだ。

ところで、日本のIT業界におけるSIerとはエンジニアの墓場だと思っている。あそこは自分の技量やセンスを強みにする人間が働く場ではなく、むしろ平均未満の技術しか持たない「IT土方」が、誰にでもできるような単純・水増しされた作業をやってお金を貰う場所だ。

しかし、そういう「IT土方」を顎で使うSE達は、少なくとも現実は分かっている。例えば、彼らはコストと品質はある程度比例することは理解しているので、前者が限定されている以上、後者も深くは追求しない。そして常に「プロジェクトを納品まで持って行く」という最終目標がある。

SIerにはプログラミングが全くできない人間というのも少なからずいる。というかSIerの正社員は基本的にマネジャー、リーダー、SE、営業といった役職に就いてチームで無垢な顧客を相手にするのだ。これはプロジェクトにおける「プログラミング以外」の作業や負担がどれだけ多いかを意味している。

ところがクラウドワークスではクライアント(発注者)とエンジニアは直結する。それはエンジニアが自らそういう無垢に残酷なクライアント(発注者)の相手をする必要があることを意味する。これは極めて負担の大きいことだ。単なるプログラミングの知識だけでなく、プロジェクトの進行・管理、交渉や説得…そうした部分もやらないといけないから。

もちろん、負担が増す分、エンジニアに対する金銭的対価が増えるなら決して悪いことではないんだが…、最初に述べたように、クラウドワークスにおける報酬単価は「低い」というレベルですらないわけで。なんかもうこの時点でサービスが根本的に崩壊している気がする。

クライアント(発注者)の人間のクズ率が高い

上では「無垢なクズ」について語ったが、クラウドワークスに居着いているクライアント(発注者)は全てが全て素人でもない。むしろ同じエンジニアやIT会社法人のスカウトも結構いるのだ。ある程度の共通基盤があるわけだから、それなら快適に仕事が引き請けられる…ということはない。むしろこれまで不愉快な思いをしたのはこういうケースが多い。

そもそも、エンジニアやIT企業がクラウドワークスを利用する場合って、決まって「①自分が引き請けた案件を横流しする」「②炎上中の案件を押し付ける相手を探している」ケースだ。「クラウドワークスを通じて優秀なエンジニアと仕事をしたい☆」なんて思っている人はほぼいない。顔の見えない相手とわざわざ繋がりたいなんて人はいないからだ。

とはいえ、①はまだマシだ。自分でやるには技術もしくは時間が足りないから、自分で少しピンハネした上で(5万で請けた案件を4万とか)他人にこっそりお願いしちゃえって話だけど、ダメだった場合は自分の責任が問われるから、サポートもある程度はしてくる。単価が安いこと以外は、まあ安全に仕事はできる。

②は地獄だ。前に、あるクライアント(発注者)から直接メッセージを貰い、是非とも仕事を請けてくれと言われた。困っている素振りも見せていたので、人助けだと思って請けたら、契約した後に「同時利用者が5000人規模のサービスを作る。サービスインまであと2ヶ月未満なのであとは宜しく」と言われた。かなりテキトーなPDFだけの仕様書を渡されてあとは宜しくと。そのPDF以外は何一つできていない。

しかも大きく分けて機能が2つ有るのだが、本来はエンジニアを2人以上は雇うところ、まず機能Aを1人で作ってみて、いけそうなら機能Bもやってくれと言われた。もちろん期限も報酬も変更なし。PDFの中身は、各画面のワイヤーフレームつーかまあこんな感じ。そのPDFを作ったのも別に雇われたエンジニアで、本名公開していたのでSNSで検索したら、当時は5件同時に仕事を並行していたらしい。

必死だった。とにかく必死だった。時間が足りなかった。昼間は会社に働きに出掛けていて、夜帰ると寝るまで仕事をした。いや途中から寝ることはできなくなって、会社の休み時間に寝た。いやもう途中から会社の仕事はさっさと片付けて会社で作業していた。それだけ頑張っても時間は全然足りなかった。遂には有給も3-4日申請した。

PDFはかなり内容不足でクライアント(発注者)に確認しないと分からないことが多かった。そして確認するために新仕様がどんどん出てきて、出てくるたびにPDFを作ったやつはアリバイ目的に「最新版を更新して渡す」とか言っていたが、一度もその約束が果たされることはなかった。サービスイン1週間前になっても「PDFに記述が足りていませんでした。。。」とか言ってくる始末。

ある外部サービスを使った仕様でどうしてもAPIでは出来ないことがあるので、それについて聞いてみたら「バッチみたいなものでできるとクライアント(発注者)には言ってある。かなり難しい案件だとは思うが、宜しくたのむ」と言われた。そのバッチの仕様はもちろん何一つ決まっていないのに、「サービスイン」が数週間後の段階で初めて存在を知らされた。

期日が数週間後に迫り、もう間に合いそうにないつーかプロジェクトに相当無理があると言ったら「じゃあ機能Aだけでも完成させて相手に見せよう。今から別の人間雇うのは無理だから最後まで頑張ってくれ」と言われた。ここまで200時間は作業していた。

クライアント(発注者)は一応エンジニアではあるが、iPhoneとかスマートフォンなどの経験があるだけでWebの事は何一つ知らないようだった。また、そもそもプロジェクトのマネージメント経験もなく、また「テスト」という概念すら知らないらしい。だから本来は必要サーバーのキャパシティとか、ある程度サイトが完成してテストが終わってからパフォーマンス測定して決めるべきことを、PDFを受領して実装している段階で要求してきた。

相手は「サービスインするのでサーバーを用意するけどスク●ニに勤務している優秀なインフラ担当者に頼むから、どのぐらいのスペックのが必要か教えろ」と言ってきた。俺はインフラ専門家でもなく、PDF片手に画面作っているだけなので答えられない。過去にAWSなどでサーバー組んだことあるだけだと返したら「そのAWSってサーバーだと今回のサービスはどのぐらいのスペック(CPUとかメモリ性能)でどれぐらいの人数耐えられるのか教えろ」とか訊いてきたから「AWSは比例課金制だ。スペックなんて知りません」と返したら、最後に「ごちゃごちゃ言ってないでさっさと今の時点で参考になる目安を出せ」とか言ってきたので「じゃあどういう目安を出せばいいんだ。期待レスポンスタイムか?CPU使用率とかメモリ使用量か?」と返したら「俺は技術に詳しくないのでそんなのは知らない」と言われた。

最終的にそのス●エニの優秀なインフラ担当者が間に入り「画面ごとの期待滞留時間…」とか言ってくるから、そんなことは画面のワイヤーフレーム(PDF)とか遷移図とかサービスの全体図を作ったやつに聞いてくれと言ったら、そのPDF作ったやつは完全に逃げモードに突入していて「今回は実装者が1人なので、私ではなくて実装している人間に聞いてくれ」と俺一人に全て丸投げしてくる。

四面楚歌の中、死ぬほど苦労してなんとか機能Aだけは動くモックは作ったが、そのスクエ●の優秀なインフラ担当者は俺にAWSssh権だけ渡して「あとは宜しく」と言っていた。デプロイもプロビジョニングも完全に人任せ。最終的にはroot権限もなく、証明書など幾つかに問題があり、そのサーバーでは動かなかったが、そのインフラ担当者は0時過ぎたところで風呂飯のために落ちて連絡が取れなくなった。

翌日、クライアント(発注者)から連絡が来て「お客さんに見せたけど、機能Bに至っては何もできておらず完成が見えないので、もう俺達に任せてられないと言われた。これ以上開発する必要もないので打ち切る」とだけ書かれたメッセージが来た。そこには、苦労に対する対価どころか謝罪の言葉すら何一つなかったし、むしろ俺を責めるような語調だった。

このクズが今もクラウドワークスで活動しているのを見ると本気で●したくなる。

記事盗用、検索汚染、ステマの執筆案件が多い

クラウドワークス上でここ最近依頼される案件の大半はこれだ。要はコピペやパクった記事のブログ作成係を募集というもの。単価は驚くことに「1記事10円」とかいうものを見たが、その程度の対価で作られた物でも業者の手にかかければSEO工作されて検索結果の上位を独占するわけだから、結果的に引き請けた人間はインターネットの低質化の片棒を担ぐことになる。

かつてGoogleは国産検索エンジンを駆逐する優れた検索エンジンを提供して、インターネットという大海原の窓を開いてくれた。それ自体はすごく感謝しているし評価するべきことだ。しかし、今は拝金主義に走ったGoogleの検索窓は、間違った航路にしか導かれない気がする。

もちろん、「まとめ」行為自体は正当というか、有益なものはある。だから必ずしも2chまとめサイトとかnaverを検索上位に出すなとは言わない。しかし、クラウドワークス上で依頼される「記事の執筆」とは、何の付加価値ももたないただの劣化コピー、粗製濫造に近い行為なのだ。

そして、あろうことかクラウドワークスがそういう行為のガイドラインまで設置している。

webメディアの発達や、検索エンジンアルゴリズムの変化によって、ライターの仕事として「リライトライター」という新しい仕事が生まれてきています。
リライトと一般的に言うと、文章をできるだけ変更せず、推敲や校正などにとどめてよりよい文章にするための作業と認知されていますが、ここでいうリライトとは全く違います。渡された文章を、「言いたいことは変えずに、全く違う表現方法に書き直す」という作業のことを言います。
多くのサテライトサイトを運営している場合、コンテンツのネタを考えるのは一苦労。

同じネタでも、全く違う表現方法でたくさんの記事を制作することによって、キーワードやテーマを節約できるという技とも言えます。


(中略)


重要な部分や大切なキーワードを選定し、そこだけは変えないように(削除しないように)しながら、自分なりの表現方法に変えていきます。元の文章の片鱗が見えてはいけませんが、文章の根幹となるものがなくなっていては、これもまたリライトの意味がなくなってしまいます。
ベースになる考え方は大事にとっておき、上物で変化をつけていくことが必要です

どうだろうか。要は「他の人間が書いた文章をバレないように剽窃するためにちょっと書き直してくれ」と言っているようにしか見えない。公式的にこういう行為を助長するのは社会通念上問題はないのだろうか。

まとめ

簡潔に述べよう。クラウドワークスとは「クズが発注してバカが請けるサイト」だ。あなたがバカなエンジニアではない限り、利用するべきではない。


なぜ人は派遣で働いてはいけないのか

俺は負け組だ。

そう卑屈に成らざるを得ないほど惨めな人生を過ごしている。成功体験に裏打ちされていない身だから、本来は人様にたいした助言はできない。しかし、負け組だからこそ反面教師として何かを残せる事もあろう。そう思ってこのエントリーを書く事にした。

社会人としての人生の大半を派遣社員として過ごしてきた。一時は「派遣で働くことはメリットがある」とすら錯覚していたが、目が醒めた今からすれば、派遣で働くのは「絶対に」辞めた方がいいと言える。ギャンブルやタバコ、アルコール中毒みたいなもので、一旦手を染めてしまうと、もう後戻りができない沼、派遣シンドロームとでも言うべき負の連鎖だ。

もちろん世の中には常に例外もある。派遣社員として働かざるを得ない事もあるかもしれない。でもそれは大抵は「派遣の方がまだマシ」と称する状態にしか過ぎない。派遣も無職よりかは幾分マシだ。しかし、応急処置などでごく短期間派遣で働くことも肯定されるからといって決して「派遣で働くのは良いことだ」とはならない。

どうして派遣社員で働いてはいけないのか。これまで派遣で働いてきて感じてきた数多の苦しみ、今も消えない怨嗟と悔恨を思い返して、一人でも多くの人が「あ、派遣社員って本人には何一つメリットがない制度なんだ」と気づけるように、一人でも多くの人が派遣社員なんかにならないように、一つでも多くの派遣会社が倒産してこの世から消失するように、挙げられるだけの理由を挙げてみよう。

    人生の向上心を無くしてしまう

     派遣社員で採用されるのは非常に簡単だ。正社員や公務員で採用される難易度の1/1000ぐらいだろう。なんせ企業側が払う費用やリスクは格段に少ないコスパに優れた人材だからだ。気に入らない場合はクビにすりゃいいし、そりゃ採用されるハードルは正規雇用より圧倒的に低い。
     正規雇用にありつくために、一生懸命準備をして、必死に自己アピールをして面接に挑んで「貴意に添いかねる結果となりました」とだけ書かれたメールを送りつけられて気持ちが沈まない人は多くない。実際、俺は某都道府県の上級職員の最終面接で落ちたことを5年以上も引きずっているし、恐らく墓まで持ち込むだろう。だから心が折れてしまい、正規雇用で働くことを諦めて、あっさり採用される派遣で働く人も少なくないんだろう。
     でもそれは悪手だ。拒絶されても拒絶されても拒絶されても拒絶されても拒絶されても拒絶されても拒絶されても拒絶されても拒絶されても拒絶されても拒絶されても拒絶されても拒絶されても拒絶されても拒絶されても拒絶されても拒絶されても面接に何度も挑んでいかない限り、そこには未来はない。派遣で妥協したら、そこで終わりだ。
     というのも、一旦派遣で働き出した人間は、一度は社会から半ば否定されている訳で弱気になってしまい(また残念なことに、既にキャリアに傷がついた訳なので)、派遣シンドロームに陥ってその後の人生をずっと非正規で過ごす可能性が強まってしまうからだ。「自分はもう正社員になれない」どころか「自分は人並みの人生は過ごせない」というネガティブ思考に陥り、極めて低い水準での安定志向に落ち着いてしまう。
     夢も希望もプライドも無くしてしまった先にあるのは「妥協」だ。同年代で正社員で働いてる人達が、相応の給与を貰って、結婚して、車を買って、家を買って、子供を授かっているというのに、それに対して羨望も焦燥も感じる気力すら失せてしまうのだ。
     派遣社員は、いつでも辞められて、いつでもより条件の良い環境に移りやすい身のように思える。しかし現実は、一旦派遣社員に陥ったあとは、当人の無気力も相まり、二度と派遣から抜けられないケースが大半なのではないか。

    身分制の最底辺に陥る

     日本に正式な身分制度はない。明治時代に廃したからだ。しかし、社会的に言うならば、「正規」と「非正規」という列記とした身分制がそこにある。正規の中でも公務員、一流企業と言った感じで更に細分化されるが、とりあえず「派遣」は最底辺なのは言うまでもない。これより下なのは無職ぐらいだ。
     元始、派遣社員は実に「専門家」だった。社内での確保がなかなか難しい専門的な職能を有する人材を、外部から短期間高賃金で迎え入れる趣旨だった。社外からわざわざ来て頂いてるので、身分も「お客さん」であった。しかし少子高齢化で、平均年齢の高くなった正社員たちの終身雇用を維持するのが難しくなった企業は、社内の身分制度に新しく「派遣社員」というカテゴリーを設けて、「社会の落ちこぼれ」を派遣社員として勤務させることによって、正社員の待遇を維持しようとしたのだ。
     そんな経緯があるゆえに、派遣社員は正社員と決して同列ではない。社会的信用度には大きな差がある。審査にも落ちやすいし、周囲からの色眼鏡も強くなる。

    転職歴が正社員と同様にマイナスに見られる

     正社員で1年未満の勤務をコロコロ繰り返している人の印象はもちろん良くない。会社としては長期勤務を望んで正社員として採用しているのに、それを短期間で辞められてしまうのは困るからだ。
     一方、派遣社員の場合はコロコロ替えても不思議ではない。というのも長期で同一の派遣会社と契約していても特にメリットもないので、より高い年収やより魅力的な案件を求めて、別の派遣会社と契約するのは普通のコトだ。
     にもかかわらず、これまでの経験から言うと、複数の派遣会社での勤務経験はかなりマイナスに見られるというか、面接ではいつも指摘される。その度に、上記の説明をしているのだが、納得して頂けている感触はない。

    社会保険が全額自己負担

     「可処分所得」とは、月給から税金や保険料を差し引いた金額を言う。自分の裁量で扱えるお金であり、実質的な所得である。
     今最も負担額が大きいのは厚生年金次いで健康保険だろう。毎年のように負担額が増えていき、既に地方税所得税を余裕で超している。そんな社会保険(健康保険&厚生年金)だが、サラリーマンは必ず加入しないといけず、2ヶ月以上雇用される派遣社員もご多分に漏れない。しかし、派遣社員の場合は正社員よりも更に支払額が多い。どれぐらい多いかというと、なんと「2倍」。理由は、派遣社員社会保険は、実態として本人の給与から会社負担分も天引きされているからだ。つまり全額自己負担
     実際に「会社負担分を天引きしてる」と公言してる企業なんか簡単に探せるが、原理は単純で、正社員の場合は会社本体に本業による利潤が有る。つまり会社に金があるから、社員の社会保険の半額を折半してあげる事ができる。しかし、派遣会社の場合は、派遣社員本人が稼いでくる給与以外にさしたる収入がない。だから派遣社員の給与から会社負担分を引くしか術がない。
     例えば、正社員と派遣社員が同じ月給30万だとしよう。正社員の給与は、厚生年金2.5万、健康保険1.5万を差し引いた26万円だが、派遣社員は厚生年金5万、健康保険3万を差し引いた22万となる。正社員は無論ここに賞与や退職金、各種手当てがつくことは言うまでもないが、実は社会保険を天引きした月給の手取り金額でも既にこんだけの差がある。
     そもそも、社会保険というのは超高齢化社会の日本においては物凄く不平等な制度であるが、ただでさえ生涯所得の少ない派遣社員が、正社員よりも更に煽りを食って、より大きな負担を強いられてるという現実は、極めて深刻に受け止められるべきだ。逆に正社員や公務員の側から見たら「貰える金額は変わらないのに、負担額は派遣社員の1/2で済む」という話で、実にとんでもない話だ。本当は議員が国会で問題定義しても然るべき事案だ。より収入がある人間がより多くを負担するというのが道理であるが、今の日本には道理はない。
     例えば、健康保険。2010年の20代前半の年間平均医療費は僅か7万、30代後半でも11万。よほど病弱な人間でもない限り、本当は保険に未加入で10割負担で外来した方が遥かに経済的だが、高齢者の診療費が100万円以上と大幅に膨れ上がるので、多めに保険料を支払わないといけない。そして派遣社員は正社員の2倍払う。ちなみに、医療保険制度も崩壊の可能性も指摘されているのは言うまでもない。
     健康保険に比べて、厚生年金は「将来返ってくる」という建前がある。しかし派遣社員は単に全額負担しているだけで、2倍の年金が積み立てられている訳ではないから、正社員より多くの年金が老後貰えるという話ではない。加えて、支給開始年齢も今後は70歳とか75歳に引き上げられる可能性が高く、既に50代ですら厚生年金は払い損になる見込みという致命的な崩壊の危機に瀕している以上、厚生年金は払った分すら戻ってこないと思うのが現実的な思考だ。

    利害関係者が増える

     正規雇用の場合は常に「会社の意向」と「本人の希望」の葛藤がある。通常、社員は会社の命令に従わないといけず、時には理不尽な命令にも屈する必要がある。組織の為に自分を犠牲にするといった利他的な行動も強制される。そういう意味では、「会社という組織」と「社員という個人」は利益相反関係でもあるのだ。
     問題は、派遣社員の場合は更に「派遣会社」という利害関係者が出てきて、三つ巴状態になることだ。もちろん通常は「派遣社員 & 派遣元 vs 派遣先」という形で、派遣元が派遣先と交渉等に臨むから、てっきり派遣元は味方だと勘違いしてしまうかもしれない。もちろん、派遣会社とはいえ「企業」だから、「企業vs企業」という構図に持ち込めた方が優位に立ち向かえるというのは事実である。
     しかし実態は、派遣元は金が稼ぎたいだけなのだ。派遣元にとって、派遣社員はただの金稼ぎの道具にしか過ぎず、働き蟻みたいなものだ。決して派遣社員の人生や将来のことを考えている訳ではない。もちろん派遣社員は、派遣元の社員ですらない。だからこそ、派遣社員の利益を害するような行動も平気でしてくるのだ。
     例えば、派遣社員が労働条件や環境の悪さを理由に契約を更新せず辞めたいと言い出し、派遣先が「困るから年度末までいてくれ」と要望したとする。この場合、派遣社員にとっては契約延長するメリットはないから、慰留を断って辞めるのが正解であるが、派遣会社にとってはそれは違う。派遣社員の後釜を自社で用意したり、今後もその派遣先と取引を友好に続けたいという意図があるからだ。だから、派遣社員の生活が苦しかろうが苦しからまいが、そのまま我慢して相手の臨むまま残留して働くように言うのが派遣先の正しい行動だ。

    長期勤続しても給与は上がらない

     正社員は働き続けていれば、昇給があり退職金が積まれていく。手当や賞与などの福利厚生で既に派遣社員の待遇を凌駕している訳だが、それだけでなく、「会社に人生を捧げる」事に対することが報われるのだ。入社直後はボーナスも寸志しか貰えない正社員は、「長期で働けば働くほど」得をする制度である。
     一方、派遣社員の給与が上がることなんて滅多にない。実際に俺はそれなりに有能で派遣先からも高く評価されていたのに一度も昇給したことがない(「給料をあげてくれないなら辞める」的なアクションを取ろうとしたら派遣先に握りつぶされたのも関係しているが)。
     派遣社員の給与が上がらない理由として、派遣先が出し渋るのが理由としてまず1つ。というのも派遣先は「正社員」という大事な身内の生活を豊かにするのを真っ先に考えて、その為に一部の人間を非正規で雇って利潤を得ようとしているわけなので、派遣社員の給料はそもそも上げる対象ではない。むしろ「費用」として下げる対象だ。
     大抵の場合、派遣会社のマージン率は一律だ。しかし本来、派遣会社にとっては、派遣社員一人を雇うコストはほぼ固定で、派遣社員によって大きく変わることはない(唯一の例外は所得比例の社会保険の会社負担分)。だから能力が高くて単価の高い派遣社員に対しては、それだけマージン率を軽減する余地が大いにあるし、同様に1年以上も長期に渡って働いてくれてる派遣社員に対しても何かしらの優遇処置はあるべきだ。しかし、現実的に派遣会社がマージン率を下げることはない。

    長期勤続してもキャリアにならない

     一般的に、派遣社員は役職など無いし、いつクビになるか分からないので責任のある仕事はあまり貰えない。「派遣なのに正社員と同等の仕事を与えられる」という愚痴をたまに見聞するが、派遣の分際で本当に管理職の人間と同等の業務を任せられてるのであれば、それは少しは誇っていいことだと思う(実際は、よくて平社員に準ずる程度の業務を担当している程度の話だと思うが)。
     だから正社員での勤務と派遣での勤務は期間が同じでも重みが違う。正社員は加齢に伴い、より責任のある「やり甲斐のある仕事」を任せられるが、派遣社員は何歳になっても単純な仕事を任せられる事が多い。
     企業もその辺りはよく熟知しており、例えば経歴書が相手の指定のフォーマットで非正規か正規か書くところがなくても、「この■■での勤務は正社員ってことでいいんですよね?」と冷徹に突っ込んでくる。

    派遣先から見下されている

     前述のように派遣社員は「専門家」「お客さん」という立ち位置ではなく、社内における「奴隷」に近い。だから現場の人間で心の中では派遣を馬鹿にしている人は少なくない。
     もちろん世の中にはホワイト企業もあるし、実際の心情はややマイルドだ。でも「派遣はクズ」という態度をおくびにすら出さなくても、企業は自社の利潤、自社の株主、自社の正社員、自社の顧客という派遣よりも優先する事項が幾多にも存在し、結果的に派遣に対する扱いは常に後回し軽視されるのは変わらない。労働契約本来の「相互の同意、相互の便益に基づく契約」という観点が欠落し、派遣社員は派遣先企業に奉公するものだという隷属関係を完全に期待しているのだ。

    派遣会社から見下されている

     派遣先もそうだが、派遣元(派遣会社)も派遣社員のことを軽く扱うことが多い。
     というのも、派遣会社にとっては派遣社員は「正社員になれなかった負け組み もちろん世の中にはホワイト企業もあるし、実際の心情はややマイルドだ。でも「派遣はクズ」という態度をおくびにすら出さなくても、企業は自社の利潤、自社の株主、自社の正社員、自社の顧客という派遣よりも優先する事項が幾多にも存在し、結果的に派遣に対する扱いは常に後回し軽視されるのは変わらない。労働契約本来の「相互の同意、相互の便益に基づく契約」という観点が欠落し、派遣社員は派遣先企業に奉公するものだという隷属関係を完全に期待しているのだ。

    仕事は自由に選べない

     派遣社員の唯一のメリットとして「仕事を選べる」と言うのがある(ように見える)。しかし、それは必ずしも真実ではない。というのも、派遣社員の採用にあたっては「顔合わせ」という名目で実質的な採用面接が存在するが(ちなみに法律では禁止されている)、そこで企業は平気で何人も何十人も不採用・見送りにできるのに派遣社員側が断るのは結構難しい。
     建前としては「まずは気軽に面接(顔合わせ)に行って、嫌なら断ればいい」と何処の会社の何処の担当者も不思議なぐらい同じなことを吐くのだが、いざ一つの会社から顔合わせでOKが貰えた場合、ほぼ間違いなく辞退を認めずその案件を請けるように執拗に説得してくる。時間的な猶予も与えず、「今は他に良い案件もないし・・・」と即決するように促す。
     理由がない訳でもない。というのも募集を掛けた企業は、期限までに人員を確保しないといけないので、「××日までに決断してくれ」と企業側に圧力をかける。また、派遣会社は派遣先との関係を重視したい。有り体に言うと、「派遣社員ごときに辞退された」場合は、企業の感情を害してしまうのだ。
     だから「手当たり次第エントリー」は愚策だ。顔合わせに行って、万が一相手方からOKを貰えた場合は、派遣会社はそこで決めるように無理強いしてくるのだから、それならば最初っからエントリーしない方がいい。明らかな地雷は回避するべきだ。
     また、そもそも派遣社員本人がエントリーしなくても、派遣会社が余り物案件を人に薦めてくる事も多い。余り物というのは、要はその派遣会社の中で候補者が見つからない案件を、そいつにエントリーして応募しろというのだ。派遣社員本人があまり興味がなくても「とりあえずエントリーしてみて・・・」と決まり文句を吐いて、面接に行かせるのが奴等のやり口だ。
     もちろん派遣社員は最後までノーと言えば断ることはできる。しかし、一回でも断ると、如実に派遣会社からの仕事の紹介や内部選考が不利になる。それは無理もないといったら無理もない。必ず就業して貰えるという保証がないなら別の候補者に絞るのが妥当だからだ。

    派遣社員に対する理解が少ない。

     「派遣社員は社会に見下されている」と書いた。しかし、全ての人が派遣社員を侮蔑している訳ではない。それなりに違う認識を持つものもいるが、それが「無関心」だ。要は世間一般の派遣社員像として二番目に多いのは「派遣社員ってよくわかんない」ってものだ。なお、「派遣社員ってかっこいい」なんて思う人は存在しないので、「落ちこぼれ」「よくわかんない」の二極化していると見ていい。
     例えば、職場の女の子から「◯◯さんの会社って新入社員はいないんですか?」「◯◯さんの会社は同期とかいるんですか?」と問われて、いつも説明に困っていた。彼女達は新卒から立派な会社に就職して、そこで大事に育っていたので、特定の会社と時期限定で契約して、そこから別の会社に派遣されてくる負け組の事情なんて知らないのである。
     そういう派遣社員に対する無知(もちろん知らなくても良いことなので「無知」と呼ぶのは不適切だが)は、時には派遣社員に厳しく突き刺さることもある。
     例えば、派遣社員には賞与はない。しかし「○○さんはボーナスどれぐらいでたんですか?」と聞いてくる奴がいる。この場合、「派遣社員にはボーナスも退職金もないので・・・」とわざわざ説明するのも惨めだし憚られたので、常に内緒と誤魔化していたが、それなりに貰っていると勘違いされていたなら、それはそれで不利益だったと思う。
     また、派遣社員には夏休みはない。夏休みというのは特別休暇であり、有給休暇とは別に正規雇用の福利厚生として用意されるものだ。だから「お盆の予定を埋めろ」とか言われて回覧板みたいなエクセルシートが回って来ても、特に休暇を取らないことも多い。それに対して「○○さんは夏休み取られないですか?」と訊かれても「うん」としか言えない。だって無いんだから。
     そもそも根本的に「派遣社員の貰っている給与」に対する理解が足りていない。派遣会社は基本的に3割以上ピンハネしているが、それを「たかが数%」と誤認している人達もいる。合計で6割近くピンハネされていた事もあり、すごく評価されて長期(それこそ定年まで!)に渡る勤務を期待されていた派遣先に対して、半ば一方的に辞めると告げた時、俺の退職に激昂していた社員に実際の給与額を告げたところ、「それは安い・・・」と絶句して、それまでの態度を豹変させて、逆に申し訳なさそうに「それなら辞めて当然だよ」と言っていた。
     「派遣社員は給与も低く賞与も退職金も福利厚生もない負け組」という認識を社会全体で共有しろと言う訳でもないが、彼らが恵まれているとは程遠い立場であることがもっと周知されれば、派遣社員に対して過度な期待を持つこともなくなると思う。 

    クビにされやすい

     正社員は基本的にクビにはできない。企業が解雇するには厳格な要件が必要となるからだ。しかし派遣社員を解雇するには、企業が30日前に通告するか30日分の給与を払えば即解雇できる。法律や判例が認める範囲で既にこれだけの違いがあるが、現実社会では派遣社員の解雇は更に濫用されている事が多い。
     例えば、契約がまだ残っているのに、月末の退社時刻になっていきなり職場から追い出すような派遣先も平気で存在する(実体験)。当日の19時過ぎに派遣先に電話をかけて「来月以降からの出勤はしないでくれ」と言ってきて、既に交わした契約を一方的に無かったことにしてきた。なお理由を追求したら「(作ったテスト仕様書を社員の前で見せて内容についても確認すらしたのに)テストを実施していない」「残業時間後に本を読んで時間を潰していた」など事実無根の捏造までしてきた。
     こうした身分の不安定さは、もちろん将来的な展望を一切考える猶予も与えないが、今現在進行中の生活にも暗い影を落とす。というのも来月から解雇されるかもしれないという不安を抱えている人が高いモチベーションや健全な精神状態で働けるだろうか。頑張った場合の報酬は何もない事を考えるとなおさらだ。
     実際ね昔まだ若くて未熟だった時にとある企業で派遣で働いていて、三ヶ月毎に「いつクビを切られるか」という極度の不安と恐怖を抱えていた。些細なことに気を使い、些細なことで恐れて、些細なことに。実際、その職場は結局は三ヶ月区切りの契約が満了されることなく、途中で一方的に解雇されたが。

    自由に辞められない

     正社員は辞意を表明して2週間後に退職できる。しかし派遣社員は契約が満了するまで自分から辞めることは許されないし、また満了する際に更新を本人を希望しなくても、派遣先と派遣元の「要望」という名の命令で更新せざるを得ない事が多い。
     というか、有能な勤務成績を残している派遣社員が辞めたい時は、派遣会社と衝突する事も少なくない。派遣会社は、穴埋めとして引き続き別の人材を紹介したり、今後もその派遣先との良好な関係を続けたいので、派遣社員に我慢して貰うしかないからだ。
     派遣社員を慰留するときに「ここを円満に辞めない場合は次の派遣先を紹介しにくくなる」という半ば脅し文句を使う営業もいるし、「ここを円満に辞めたら次はいい案件を紹介しますよ」とか嘘をついてあとで反故にする営業もいる。

    派遣会社自体が既に大きな矛盾を抱えている

     最後に、みなさんに考えてもらいたい。派遣会社の社員は正社員ばかりだ。本当に派遣社員として働くことにメリットが有るならば、派遣会社の社員は管理職以外はみんな派遣社員にならないといけないのではないのだろうか。
     もちろん競業他社との関係とかの問題はある。しかし、根本的に、派遣会社という存在そのものが「正社員が派遣社員を搾取する」という構図の縮図に他ならないのである。

    最後に

     ここまでの悪辣な内容を真面目に読んだ上で、まだ派遣で働きたいと思う人はいないと思う。派遣とは「生き方」ではない。社会の落ちこぼれに転落したという「成り行き」だ。一旦派遣社員となってしまった場合は、そこから這い上がることを考えるべきであって、派遣社員に安寧などしてはいけないのである。
     

    そもそも派遣社員は、全労働者数の2%程度にしか過ぎない。雇用者数が約5000万としたら100万人程度。「非正規が四割」という数値だけが踊っているが、2014年でも20代後半から60歳までの男性の9割程度は正規雇用であり、残りの約1割も企業に直接雇用されているアルバイトや契約社員などが

    この数値からも、派遣社員というのは「極小数の落ちこぼれ」ということが分かろう。だから「派遣で働くな」と言っても、そもそも派遣社員というの100万人程度しかいない

    非推奨大手派遣会社

    下記の派遣会社では絶対に働いてはいけない。

    株式会社インテリジェンス
    テンプスタッフ・テクノロジー株式会社

    パソナとかアデコとか
    これより更に規模の小さい派遣会社も何をか言わんや。

    どうしても派遣で働く場合のきんかじょう
    ①派遣会社の営業やコーディネーターは一切信頼せず、感情移入もしないこと
    ②派遣会社に対しては常に強気でいき、条件面も
    ③派遣会社の薦める案件はゴミなので断ること
    ④面談してOKが貰えても気に食わなかったら辞退すること。

    派遣以外の選択肢

    俺は今年からフリーランサーとして働くことになった。総額年収は派遣の時より300万円以上増えたし、それこそ手取り金額に至っては、例の社会保険の全額負担がなくなったので「倍増」というレベルだ。もはや年収1000万円は夢でもなんでもなくなったので、今の目標は年収2000万以上になっている。ただし、これは専門職ならでの回避策だ。事務職とか営業職の場合は、フリーでやるのは難しいかもしれない。

    だから、現状派遣社員で働いてる人達に、「派遣で働くな」と言われて、

    非正規エンジニアが理解すべき社会保険の真実

    長く非正規で働いてきた俺も来月からとりあえずフリーランスで働くことになった。雇用形態がどうなろうが結局は現場で常駐して働くわけで、その辺りのキャリアの進歩の無さには焦燥感を感じるわけだが、いかんせん先立つものが無いので、無職期間を満喫するにも限度があった。

    フリーランスと非正規との違いとして、自分で確定申告をして所得税を収めること、非正規が加入する社会保険(厚生年金+健康保険)や雇用保険には入れないことがあるが、特に医療保険と年金についてはこれまで意識することがなかったので少し調べてみた。そして、改めて「非正規社員を辞めてよかった」と実感することになった。

    年金

    今後は共済年金は厚生年金と合体するので実質的には2種類。

    種類      加入者     受給額        
    国民年金    非サラリーマン 基礎年金     
    厚生年金     サラリーマン 基礎年金+上乗せ年金
    共済年金 公務員  基礎年金+職域加算

    医療保険

    健康保険などはここから更に細分化されるが、ざっくり分類すると以下の5種類。

    種類        加入者   
    国民健康保険 非サラリーマン
    健康保険   サラリーマン
    船員保険 船員
    共済組合   公務員
    後期高齢者医療制度 75歳以上

    基本的には、エンジニアは雇用形態に従って以下のように加入することになる。

    正社員・非正規 → 厚生年金&健康保険
    フリーランス  → 国民年金国民健康保険

    なお国民年金国民健康保険は義務なので、年金にも保険にも入らないという状態には法律上はなれない。

    では考えてみよう。「フリーランスで月給50万」と「派遣社員で月給50万」はどちらの方が実質的に高いのだろうか。計算前提として年収600万(月給50万*12ヶ月)、東京都千代田区在住、39歳未満とするる

    フリーランスの給与

    500,000 受取給与
    -15,590 国民年金 ※平成27年の金額
    -48,089 国民健康保険 ※(6,000,000-330,000)x(0.0645+0.0198+0.007)+33900+10800+14700)/12
    -------
    436,321

    派遣社員の給与

    500,000 受取給与
    -54,169 厚生年金(自己負担) ※厚生年金保険料の計算 - 高精度計算サイト
    -24,925 健康保険(自己負担) ※平成27年9月分(10月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表
    -------
    420,906

    純粋な手取り金額自体はフリーランスの方が多い。しかし、派遣社員の厚生年金と健康保険は会社が折半して払っており、このうち厚生年金は、国民年金分を支払った残りが上乗せ年金として65歳以降に返ってくるとされているから、ある意味資産として貯蓄されていることになる。よって手取り金額だけでは比較できない。

    仮に厚生年金として支払われた分の54,169円-15,590円=38,579円が将来的に100%戻って来るとした場合、その金額を合算したら420,906円+38,579円=459,485円となるため、この時点で派遣社員の方が実質的な稼ぎは多いことになる。また、厚生年金を上手く運用してくれた場合は、戻ってくる金額がもっと増えて4万とか5万とかに増えているかもしれない。だから長期的には派遣社員の方が有利という見方が出ても不思議ではない。

    しかし、この点についてよく考えてみよう。

    まず、お金には現在価値というものがあり、手元の1万円と1年後の1万円は決して同価値ではない。仮に商事法定利率5%で計算したら9523円だ。30歳の人間が年金を貰えるのは65歳になってからなので、そんな「35年後に貰える54000円」よりも「手元にある50000円」の方が遥かに価値が高いのは万人が同意するところだろう。

    二番目に、少なくとも厚生年金制度は破綻する可能性が高い。35年度の2050年には2人に1人が高齢者となる訳で、そんな狂った人口ピラミッドで支えられるはずがない。所得に比例する高額な厚生年金を払って収めた元本がそのまま戻ってくるならともかく、それすら怪しいとも言われている。厚生年金の支給開始年齢は、当初は55歳だったが、今は65歳になっており、今後も引き上げられていくのは間違いない。一方、国民年金は支給額が少ないので単独での生活維持は難しいが、それゆえに破綻するリスクは高くはない。

    三番目に、上の例は敢えて「フリーランス派遣社員の給与が同じ50万円」という前提に基づいたが、実際はフリーランスの方が少なくとも月額単価は20万円以上は多い。何故かと言うと、フリーランスの方が派遣社員より全体的に技術レベルが高いので結果として単価も高いというのが一点。加えて、派遣元には税金や各種保険の手続きなど各種事務負担などが発生するし、有給も年に10日ほど与える必要があったりするので、派遣社員の給料は少なくとも3割程度、多いときは半分以上もピンハネされている。

    最後に、そもそも非正規社員の厚生年金と健康保険料は、形式上は会社が折半してくれる事になっているが、実態は本人が稼いできた給料が直接の源泉となっている。決して会社が負担するのではなくて、派遣社員本人が全額負担していると言う事を改めて強調したい。上の例でいうと、会社は厚生年金の54,169円と健康保険の24,925円を支払うために本人への給料からそれを天引きすることになるから、実世界での給与はこんな感じになる。

    派遣社員の実態給与

    500,000 受取給与
    -54,169 厚生年金(自己負担)
    -54,169 厚生年金(会社負担)
    -24,925 健康保険(自己負担)
    -24,925 健康保険(会社負担)
    -------
    341,812

    もちろん話を単純化している訳であるが、エンジニアの世界でフリーランス派遣社員の給与が大きく違う理由の1つは、この厚生年金の負担額と言える。この毎月支払う54,169円*2=108,338円は、70歳だか75歳には、ある程度は年金として返ってくるだろう。でも20代30代の若いうちこそもっともお金が必要なんじゃないか。それを思うと、派遣社員にとっての厚生年金はもはやセーフティーネットというよりは、ただの重荷だ。

    これが正社員なら少し話が違う。というのも、平社員の給与は平社員間で分配されているし、そもそも会社には本業が有るので、その本業から産まれし利潤がある。

    分配方法の代表的なものに「年功序列」があり、例えば新入社員が幾ら労使を提供しても「新入社員だから」という名目で給与は少なくなるし、使えない窓際社員でもそれなりに長期勤続していれば、昇給と退職金の積み重ねで貰える給与はある程度は高くなる。これが長期勤続のインセンティブとなるし、若手社員は初期は割を食っていると言える。

    こうした給与分配と会社本体の営業収益から出た「会社のお金」から、正社員の厚生年金の会社負担分を支払う事も可能なので、本来はこれが本当の意味での「会社負担」なのである。

    一方、派遣社員の場合は横の繋がりもないから分配機能もない(つまり、幾ら派遣社員として長期貢献しようがボーナスも退職金もマージン率の優遇もないので、全員一律)。派遣会社には人材を派遣して得る以外に大した収入源もないので、「厚生年金と健康保険の半分を会社が負担しろ」と言われた場合は、そのまま単純に派遣社員本人の給与から天引くしかないのである。

    まとめ

    非正規社員の厚生年金は「給料の一部が数十年後に後払いされる」と言うより他ならず、またその支払いが全額履行される保証もないし、履行される時期も今後先延ばしになる。エンジニアという職業は非正規で有ってもある程度稼げてしまうし、孫請け曾孫請けレベルの零細会社の正社員よりは待遇が良いこともザラであるが、実は、少子高齢化社会を迎える日本の若者虐めとも言える年金制度の煽りを最も受けやすい雇用形態なのだ。