負け犬プログラマーの歩み

負け組だった人間が今一度PGとして人生の飛躍を模索するも加齢と共に閉ざされる未来に直面しているブログ。

自分は頭がいいから未経験でもすぐ即戦力になれる

という思いあがりを持つエンジニアは少なくない。というか、現状の俺が今この状態に陥っている。

もちろん、この思考回路自体は決して間違いではない。プログラミングにおけるセンスや問題解決能力、情報収集力などは凡そ普遍的なものだから、言語やフレームワークみたいな些細なもの、時にはパラダイムの違いですらも、優秀な人間であればごく短期間で乗り越えて、その能力を遺憾なく発揮できるはずなのだ。

その辺りを理解している企業も多く、少しマイナーな言語や環境での募集の場合、たとえ未経験でも意欲と能力を買って採用する事も多い。というかむしろそれが普通なんだろう。その辺りの融通が効かない駄目な会社は、そもそも「最新の技術」なんて導入せず、既に枯れ始めて実績と経験者のあるものに固執するからだ。

ただ、問題なのは、たまに有能ではないのに自分の能力を過信して「俺は優秀なんだから何でもできる。さあ誘え」と完全に受け身モードに突入している輩がいることだ。

というか、俺だ。

俺は実質的に異業種からエンジニアに転向したので、コードを書き始めた時期は比較的遅い。ある程度のセンスと経験は備えているつもりで、周囲からの評価や収入面からして、中の上ぐらいの実力はあると思うのだが、この世界は上を見上げたらキリはないし、自分が本当に優秀な人間のグループには到底入れてないのは分かっている。

なぜ俺はエンジニアとしてここ1-2年成長してないんだろうというと、結局は勉強量が少なすぎるのが原因だろう。

今でもプログラミング自体は好きだし、何かを覚えることは好きだ。でも決してプライベートを率先して潰すほどではない。エンジニアとしてある程度成功して収入も余暇も増えたことで、プログラミング以外の趣味に没頭するようになった。だから最近は仕事以外じゃほぼコードを書かない。

かつてエンジニアとしてキャリアをリスタートするとき、当時はプログラミングが趣味だった。最初の2-3年は毎日のようにプログラミングのことを考えていた。大海原にいたような状況で、とにかく目の前に捉えるもの全てが未知で、新鮮で、得体が知れなくて、そして面白かった。

時はだいぶ流れ、当時の大海原はとっくに海路の知れた当たり前の光景で、単にお金を稼ぐために渡るだけ。遠くに行けばまた別の大洋が広がっているのは知っているが、そこまで行くには力も金も時間もそして勇気も足りていない。そんな状況になっている。

じゃあ、俺はエンジニアとして今後どうやって成長すればいいのだろうか。一つ確かなのは、プライベートを割いて勉強をしないといけない。それで、実務未経験であっても経験者以上の力を発揮できるという説得力を持たせないといけないのだ。

そして、プログラミングを楽しむことも時には諦めて、単調で詰まらない作業も甘んじて受け入れるべきだ。「ただプログラミングの勉強をするだけでは飽きるから、何か作りたいものを決めてからコードを書いた方がいいよ」という進言はよく聞くし、完全に正しいとは思う。でもそれは、所詮ただの理想論だ。

そりゃ作りたいものが具体的に有るに越したことはない。でも個人が世間に公開できるほどのアプリやサービス、ライブラリを作るのには、まず「発想」が要る。それも独創性に大いに優れたものが。でないと、大抵の場合、他人が既にそれをやっていて先に公開しているのだから。

買った翌年には陳腐化してゴミになるような本、英語版のガイドやリファレンスの完全劣化版、それも誤植ばかりの初版を購入して、写経しながらひたすら無味乾燥なコンソールに打ち込んでいく。そういう非経済的で苦痛な作業すらも辞さない精神が必要とされているのだ。

エンジニアというのは、そうまでしないとキャリアアップができない。そして、残念なことに、仮に知識だけを身につけてもキャリアアップができるとは限らない。

かつてクラサバエンジニアをやっていたが、その底辺っぷりに当時既に危機感を覚えたのでWebに逃げた。そして中堅程度のWebエンジニアとして停滞を感じた今、IoT、ビッグデータ、ゲーム開発あたりに逃げてみたいと思っている。

しかし「きっかけ」がない。

IoTは少しだけ触ってArduinoで半田付けなども経験した。自分だけが利用者だがデバイスを使ったサービスも作ってみたので少しは準備はできている。しかし募集が無きに等しい。

ゲーム開発は未経験者なんて論外だ。もちろん個人でUnity触るなどで実績を作って月給16万でもいいですとか言えば、なんとか入り込む事はできただろう。

ビッグデータに関しては、R言語の募集があったので、単価は不問で手を挙げてみたが、R言語の経験者以外は採用せず、自宅学習の類も認めないらしい。

とにかく、このままでは俺はエンジニアとして死んでしまう。自分が軽蔑していた、どの職場にもいる年齢とプライドだけは高くて、技術は疎かにしている「長老」に俺自身がなってしまう。もはやプログラミングをさほど楽しめなくてもいい。苦痛でもいい。それでもいいから、今から投資をしていかないと、凡庸な使い捨てエンジニアで終わってしまうだろう。